problem+love or like+

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 ずっと傍に居たいから、誰かが勝手に決めた俺の立場を必死で隠してきたと言うのに……事件は起きてしまた。  この地域において第5勢力同士と呼ばれる者達による争い、俺の立場とは彼等が本当に標的とする皇帝と言う立場の後継者なのだ。こんな馬鹿げた事に巻き込まれた俺と愛美は初めて、武器を持つ喧嘩と言うものをした。相手は鉄パイプやナイフを所持、桜北にも生徒会直属の対策部があるけど連絡する手段は電話やメールのみ。だけど、相手から目を離せば殺されると思わずには居られず、近くにあった木の棒を木刀に見立てて構えた。 怖くなかった言えば嘘になる、力の差は彼等の方が上で場馴れしているようにも見えた。 「なにやっとんじゃ!!」  生徒会の先輩達が助けに来てくれた時にはすでに身なりはボロボロ、そんな俺を見て愛美は泣いていた。 「俺は強くなる。愛美がもう泣かなくても良いように頑張るからさ、笑ってくれないかな?」 「あんたほんまの馬鹿やろ?うちの気も知らへんで……」  ふんわりとした笑みを浮かべた愛美をこの腕に納めた時、本当に守りたいと思ったんだ。もっと愛美に笑ってほしい。その為に俺は強くなりたい。
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