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「王妃、お目にかかれて光栄です」
男子生徒は自分を剣士にでも見立てたつもりなのか、右膝をつき、胸に左手を添え頭を下げた。
「私も光栄でございます。身分を弁えず、王に難題を突き付けていた方に直接お会いできたのですから」
しかし、上からかけられた愛美の言葉に顔がひきつる男子生徒。他の人から見たら変かもしれないが俺達にすればこんなの、日常茶飯事の戯れ。
「貴方から頂きましたご意見を平等な目を持ち、拝見いたしました。
新入生との親睦会は賛成できる節ではありましたが、殿方から声をかけられた方は断る事ができず、必ず2人きりにならなければならないと言う点には憤りを感じずには居られませんでした」
「いや……あの、それは……」
「それに、生徒会主催と言う看板を利用するなんて言語道断。
おまけに王に対する無礼、貴方には刑が必要なのかしら?」
身の危険を感じたいのか立ち上がり、俺の肩に腕を回した。
「王がイベントの案を募集していたので考えたまででございます」
「黙りなさい。王の人の良さをいい事に、採決されなければ……などと脅すなんぞ、許せる訳がございません」
「言いがかりでございます!!」
「本当にそう言いきれるのか?」
「それとも、わっち達が何も知らない無能に見えるのかな?ねぇ~どっち?」
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