3・僕と保健室

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僕はよく、保健室のお世話になっている。 病気ではないけれど、人よりも体力がなくて、貧血気味な僕。 その他にも色々な理由があって、入学当初はかなりの頻度でお世話になっていた。 今は悠真達もいるし、学校生活にも少しは慣れて、お世話になる事は減ってきた。 それでも、用事もないのに顔を出している。 「失礼しまーす。渡辺先生、いる?」 「おー、相沢。いらっしゃい。」 保健室のおじいちゃん先生。 顔を見るだけでホッとできる。 この先生は、全ての生徒を平等に見てくれる。 男も女も、不良も優等生も、何にも関係ない。 本当のおじいちゃんみたいだ。 「最近どうだ?」 先生は、僕が来ると美味しいお茶を煎れてくれて、その時の僕の状態を聞いてくれる。 「んー・・・・ボチボチかな。だいぶ慣れたけど、まだちょっと。」 「そうか。まぁ、何かあればいつでもここに来なさい。」 そう言ってヨシヨシと頭を撫でてくれた。 「ん。ありがと、センセ。」 「うむ。おっ、どうやら迎えが来たようだ。」 「えっ?」 ドアをノックする音が聞こえて、ドアの方に目を向けると、諒がいた。 「渚ー。」 「諒?どうしたの?」 「次、選択授業だから早く行かないと。」 「あっ!!プールだ。」 「相沢、あんまり無理するんじゃないぞ。」 「はーい。諒、行こっ!!」 「あぁ。失礼します。」 僕は軽い足取りで、諒と一緒に更衣室へ向かった。
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