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「・・・・ここ・・・・」
「保健室だ。まったく・・・・調子に乗りおって。」
「センセ・・・・」
「軽い貧血だ。佐々木が慌てて運んできたぞ。」
「諒が・・・・」
僕の寝ているベッドの横に座っている先生は、少しご立腹のようだった。
「何があった?」
「・・・・・・」
「言えないか?」
「ごめんね、先生。何て言ったら良いのか・・・・」
正直、どう話したら良いのかが自分自身分かっていない。
『気持ち悪い』と感じた事と、もう1つ。
身体が震える何かが・・・・
でも、どうしてそう感じたのかすら分からない。
「まぁ、良いだろう。話せるようになって、話したくなったら話せばいい。考え過ぎは良くない。」
僕が頭を悩ませていると、先生はそう言いながら優しく微笑んでくれた。
「ん、ありがと。でも、またしばらくお世話になるかも。」
「うむ。お前さんなら、いつでも大歓迎だ。さて、もう少し眠っておけ。」
「あっ!!そう言えば、今何時?」
「3時を過ぎたところだな。今日はもう教室に戻らなくても良いとの事だから、迎えが来るまでゆっくり眠っていなさい。」
そう言いながら先生は、僕に掛かっている布団を肩まで上げて、子どもをあやすように胸の辺りをトントンと・・・・
迎えって誰だろうと聞こうとしたけれど、その規則正しいリズムに誘われるように眠りに落ちていった。
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