1・僕と朝

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午前6時。 携帯のアラームで目を覚ます所から、僕こと相沢渚の朝が始まる。 「んっ・・・・」 大きく伸びをして、ベッドから出る。 顔を洗い、制服に着替え、洗濯機を回してから、キッチンに行き、エプロンをする。 4人分のお弁当と、2人分の朝食を用意して、母さんを起こしに行く。 「母さん、朝だよ。」 「う~・・・・眠い・・・・」 今、僕の目の前でダラダラしているのは、相沢花音。 僕の母さんだ。 「仕事遅れるから起きて。」 「ん・・・・おはよう、渚。」 挨拶と同時に頬にキスされる。 毎日の事だけど、いい加減やめてほしい。 「おはよう。隣行ってくるね。」 母さんを起こした後は、2人分のお弁当を持って、マンションの隣の部屋に行く。 合い鍵を使って部屋に入り、ここでもキッチンへ。 2人分の朝食を用意していると、パタパタとスリッパの音がした。 「渚くん、おはよう。」 起きてきたのは、ここの家主、佐々木麻里さん。 「おはよう、麻里さん。」 そして、ここでもキスされる。 「もうすぐご飯出来るから、顔洗ってきてね。」 「はぁーい。」 麻里さんの背中を見送り、朝食の用意の続きをする。 「さて、そろそろ起こさなきゃ・・・・」 朝食の用意を終わらせた後、とある部屋の前へ。 「おはよう、朝だよ。」 ノックをしながら声を掛けるけど返事がない。 仕方なく部屋に入り、眠っている人物、幼なじみの佐々木諒の肩を揺する。 「諒、起きて。」 「ん~・・・・」 「っと・・・・」 モゾモゾと動いたと思ったら、ベッドに引きずり込まれた。 「おはよー、渚。」 おはようと言いながらも、僕にぎゅうっと抱き着いて起きる気配がない。 「おーい。諒ってば。」 「ん。起きるよ。」 諒は、僕から身体を離し起き上がり、再び僕に抱き着いてくる。 これもいつもの事。 僕の胸に顔を埋め、背中に腕を回し、抱き着いたまま5分くらい。 そしてここでは、頬だけでなく額や髪などにもキスされる。 「ほら。朝ご飯できてるから早く着替えてね。」 「はぁーい。」 麻里さんと同じ反応に、やっぱり親子だなと思い、少し微笑ましくなる。 リビングに行き、麻里さんに挨拶をしてから家へ戻る。 自分もご飯を食べてから、洗濯を干し、食器を片付ける。 「行ってきます。」 母さんに声を掛けて、玄関先で待っている諒と一緒に学校へ向かった。
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