652人が本棚に入れています
本棚に追加
午前6時。
携帯のアラームで目を覚ます所から、僕こと相沢渚の朝が始まる。
「んっ・・・・」
大きく伸びをして、ベッドから出る。
顔を洗い、制服に着替え、洗濯機を回してから、キッチンに行き、エプロンをする。
4人分のお弁当と、2人分の朝食を用意して、母さんを起こしに行く。
「母さん、朝だよ。」
「う~・・・・眠い・・・・」
今、僕の目の前でダラダラしているのは、相沢花音。
僕の母さんだ。
「仕事遅れるから起きて。」
「ん・・・・おはよう、渚。」
挨拶と同時に頬にキスされる。
毎日の事だけど、いい加減やめてほしい。
「おはよう。隣行ってくるね。」
母さんを起こした後は、2人分のお弁当を持って、マンションの隣の部屋に行く。
合い鍵を使って部屋に入り、ここでもキッチンへ。
2人分の朝食を用意していると、パタパタとスリッパの音がした。
「渚くん、おはよう。」
起きてきたのは、ここの家主、佐々木麻里さん。
「おはよう、麻里さん。」
そして、ここでもキスされる。
「もうすぐご飯出来るから、顔洗ってきてね。」
「はぁーい。」
麻里さんの背中を見送り、朝食の用意の続きをする。
「さて、そろそろ起こさなきゃ・・・・」
朝食の用意を終わらせた後、とある部屋の前へ。
「おはよう、朝だよ。」
ノックをしながら声を掛けるけど返事がない。
仕方なく部屋に入り、眠っている人物、幼なじみの佐々木諒の肩を揺する。
「諒、起きて。」
「ん~・・・・」
「っと・・・・」
モゾモゾと動いたと思ったら、ベッドに引きずり込まれた。
「おはよー、渚。」
おはようと言いながらも、僕にぎゅうっと抱き着いて起きる気配がない。
「おーい。諒ってば。」
「ん。起きるよ。」
諒は、僕から身体を離し起き上がり、再び僕に抱き着いてくる。
これもいつもの事。
僕の胸に顔を埋め、背中に腕を回し、抱き着いたまま5分くらい。
そしてここでは、頬だけでなく額や髪などにもキスされる。
「ほら。朝ご飯できてるから早く着替えてね。」
「はぁーい。」
麻里さんと同じ反応に、やっぱり親子だなと思い、少し微笑ましくなる。
リビングに行き、麻里さんに挨拶をしてから家へ戻る。
自分もご飯を食べてから、洗濯を干し、食器を片付ける。
「行ってきます。」
母さんに声を掛けて、玄関先で待っている諒と一緒に学校へ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!