6・僕と文化祭

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「失礼しま~す。」 「おや?秋月か。めずらしい・・・・訳じゃないな。」 先生は、悠真に抱えられている僕を見て少し渋い顔をした。 「んー・・・・ちょっとね。ベッド借ります。」 僕は、ベッドに座りホッと一息ついた。 「おっ、来たぞ。」 先生の言葉と共に聞こえてきたのは廊下を走る音。 そして・・・・ 「渚っ!!」 ドアの開く音と共に聞こえたのは諒の声だった。 諒は僕を見るなり、痛いくらいにぎゅうっと抱き着いてきた。 「・・・・・・」 悠真の腕も落ち着けたけど、諒の腕は本当に安心できる。 震えがスッと消えていくのが分かった。 (あっ、デジャヴュ・・・・) 「ふふっ。」 前にもこんな事があったなぁなんて思い出して、ちょっと笑ってしまった。 「渚?」 諒が不思議そうな顔で僕を見ている。 「ありがと、諒。もう大丈夫。」 「・・・・うん。」 でも、諒は僕から離れようとしない。 「ほれ、茶でも飲め。」 そんな僕たちを見兼ねて、先生が声を掛けてくれた。 「それと、さっきから秋月が何か言いたそうにしておるが?」 先生の言葉に、諒がピクッと反応した。 「先生、渚と話していてもらえますか?」 「おぉ、良いぞ。」 「渚、ちょっと待っててな。」 諒は僕の頭を撫でてから悠真の所に行った。 「・・・・僕が・・・・」 「そう言う・・・・」 2人は小さい声で話しているけれど、時々声が聞こえてくる。 「・・・・ッ!?」 不意に聞こえた『プール』と言う言葉に、再び身体が震え出す。 「相沢?どうした?」 先生の声に気付いた2人が、僕の所に駆け寄ってくる。 「渚っ!?」 「渚くん?」 「あっ・・・・僕・・・・」 今はっきりと、あの時のもう1つが何なのか分かった。 背筋が凍るような怖いと言う感情だったんだ・・・・
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