6・僕と文化祭

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3日後に迫った文化祭。 準備も着々と進み、学校全体がお祭りムード一色になっている。 そんな中、僕は家庭科室の黒板の前に立っていた。 目の前には、僕に視線を向けるクラスメイトが・・・・ 調理担当になって浮かれていた僕に、大きな落とし穴が待っていたんだ。 裏方で、ヒッソリと料理を作っていれば良いと思っていたのだけれど、僕が1番上手いと言う事が判明して、みんなに教える事になってしまった。 今日は、実際に出すメニューを試作して試食する。 前の調理台で、悠真と修平くんに手伝ってもらいながら、説明していく。 緊張のせいで手が震えそうになるけれど、料理に集中してどうにか進める。 「あの・・・・相沢くん・・・・」 「ふぇっ?」 突然話し掛けられて、変な声が出てしまった。 「これ、どうしたら良いの?」 分からない所を僕に聞きたかったようだ。 「えっと・・・・これは・・・・」 その1人を皮切りに、次々と質問をされる。 話す事は苦手だけれど、調理の説明はスムーズに出来た自分に少しビックリしてみたり・・・・ いつの間にか、僕を囲むように人の輪ができていた。 (・・・・誰かと料理するって楽しいかも。) そんな事を思い、悠真と修平くんの方を見ると、2人とも嬉しそうにニッコリ笑っていた。   ×    ×    × 「ふぅ・・・・疲れた・・・・」 片付けを終えて、僕は調理台に伏せた。 「ふふっ。お疲れ様。今日はいっぱい喋ってたね。」 悠真が僕の頭を撫でてくれる。 「ん~・・・・大丈夫だったかな、あんなに喋っちゃって・・・・」 クラスメイトの反応が気になったけど、怖くて見る事ができなかった。 「問題ないよ。」 「あぁ。大丈夫だ。」 悠真と修平くんの言葉に、ホッと息を吐く。 「料理、やっぱり楽しいなぁ。諒がいてくれたら、もっと楽しく出来たのかな・・・・」 無意識に諒の事を考えていたと言う事に、その時の僕はまだ気が付いていなかった・・・・
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