6・僕と文化祭

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「いらっしゃいませ~!!」 教室中にみんなの元気な声が響いている。 思っていた以上にお客さんが多くて大忙しだ。 「秋月くん。コレ、5番テーブルにお願い。」 「はぁい。了解です。」 悠真は、調理と接客両方をやっている。 すれ違う人みんな、悠真の方を振り返っていた。 (あれだけ可愛かったら見たくなるよなぁ・・・・) そんな事を考えながら悠真を見ていたら、接客の方が忙しそうな事に気付いた。 調理の方は落ち着いていたので、僕もテーブルの片付けを手伝う事にした。 「あの・・・・」 せっせと片付けをしていると後ろから声を掛けられた。 お客さんから見たら僕は店員だから、声を掛けるのは当然で・・・・ 無理矢理に笑顔を作り、返事をしながら振り返る。 「はい。どうされました?」 「あ・・・・ッ/// あの、写真・・・・良いですか?」 「へっ?」 目の前には、携帯を持った女の子が数人・・・・ 意味が分からなくてオタオタしていると、2人の女の子が僕の両腕をガシッと掴んだ。 「やっ・・・・あの・・・・」 前では、数人の女の子がカメラを構えて待っている。 (どうしよ・・・・写真なんて・・・・) どうしたら良いのか分からず目をつむってしまうと、フッと腕が軽くなった。 「ここは普通の喫茶店だからね、そう言う事されると困るんだ。やめてもらえるかな。」 悠真が女の子の腕を外してくれていて、修平くんが携帯を取り上げてくれていた。 「すみませんでした・・・・」 女の子たちは帰ってしまった。 「・・・・びっくりした・・・・何だったんだろ・・・・」 「まぁ、気にしない気にしない。そうだ、渚くん休憩だよ。」 「ん~・・・・諒が来るまで片付けしてるね。」 今日の僕の仕事は、お昼の忙しい時間が終わるまで。 その後は、諒と一緒に文化祭を見て回る約束をしていた。 「渚、いる?」 「りょ・・・・う・・・・」 「どうした?」 「えっと・・・・」 この前のお祭りの時も思ったんだけど、諒がすごくかっこ良く見える。 ・・・・ちょっと違うかな。 かっこ良いのは分かってた。 分かっているのに、いつもと違う諒を見るとなぜかドキドキする。 今日の諒は、スーツを着て前髪を横に流して、何て言うか・・・・ 「ホスト・・・・」 「・・・・・・」 悠真の言葉に少し考え込む。 「別に、やりたくてやってる訳じゃないから。」 (何かモヤモヤ・・・・) 「渚?」 「あっ、ごめん。行こっ。」 考えても分からない事は置いておいて、僕は文化祭を楽しむ事にしたのだった。
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