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「ん・・・・」
ベッドの軋む音と、身体にかかる重みで僕は目を覚ました。
「・・・・諒?」
意識がハッキリしてきて、諒が僕に覆いかぶさっているのだと気付く。
「渚・・・・」
諒は僕にしがみつき、うわごとの様に僕の名前を呼んでいる。
耳元で聞こえる諒の声に嗚咽が混じっている事に気付いて・・・・
「僕ね、諒がいなくて淋しかったんだ。」
両腕を諒の背中に回して、力いっぱい抱きしめて、自分の気持ちを正直に話した。
「渚・・・・俺もだよ。」
諒は、少しだけ離れて僕の顔を覗き込んだ。
その目は真っ赤になっていて、何だか諒が可愛く思えた。
「諒・・・・」
僕は、諒の頬に手を伸ばす。
諒は嬉しそうに目を細め、僕の手の上に自分の手を重ねた。
「どうしてここにいるの?」
「先生に鍵借りた。ここにいるのは分かってたから。」
「そっか。諒は何でもお見通しなんだね。」
「・・・・そんな事ないよ。」
「そうなの?」
「渚の気持ちは、渚にしか分からない。」
「僕の気持ち・・・・」
「そう。俺には分からない。」
「ん~・・・・僕にも分からない・・・・かな。」
「えっ?」
「うぅん、何でもない。」
僕自身、自分の気持ちなんて分かっていない。
どう言う感情がどう言う気持ちなのかとか、どんな時にどんな気持ちになるのかとか。
ただ、諒がいないと淋しいと思ったのは事実で・・・・
2人で並んでベッドに座り、窓から見えるキャンプファイアを眺める。
「来年はさ・・・・」
諒がポツリと呟く。
「ん?」
「来年はちゃんと楽しも。文化祭だけじゃなくて、もっと色々。楽しい事はまだまだあるから。」
「うん。」
「それと、明日からはまた起こしに来てくれるよね。」
「ん、分かってるよ。」
いつの間にか僕たちには笑顔が戻っていた。
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