始まり

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お母さんが最後に伝えようとしていること。 ろくに親孝行なんかできなかったんだから だから、それくらいは。 お母さんの願いを叶えさせてあげたい。 「そこに 何か入ってるの?」 お母さんは私の問いには答えず、でもその代わりにニッコリと笑った。 「えみ、よろしくね ありが…と‥」 ピーピー 病室に鳴り響く、機会音。 それは、お母さんの心臓がもう動いてないことを知らせている。 そのことに気づくまで時間がかかった。
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