始まり

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その後のことは、よく覚えていない。 気づいたら家に居て。 目が赤く腫れるまで涙を流して 声が渇れるまで泣き叫んでいた。 病気だったお母さんは、3ヶ月前とうとう医者に言われた。 ―――もう命は短いだろう。 その言葉通り、お母さんの体調は悪くなる一方。 そして今日… お母さんが死んだ。 なのに、私には一緒に泣いてくれる家族なんかいなかった。 お父さんは私が生まれてすぐに家を出ていった。 まるで、見知らぬ国の見知らぬ土地で 言葉も通じないし、知ってる人も誰もいない。 そんな所に、ただ一人残されたような そんな不安に襲われる。 私はもう… 一人ぼっち。 .
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