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暖炉の前にいる猫に、青年が声をかけた。
「ユキ。ユキは本当に暖炉の火を見るのが好きだね。」
ユキと呼ばれた猫は、
にゃあん
とひと鳴きして応えた。
青年は、コートを羽織ると玄関で長靴を履いた。
すると、その気配に家中の猫が集まってきた。
種類も毛色も性別も、総てバラバラな猫たちは、青年の足元て甘い声を出した。
にゃあ にゃあ
にゃぁん
「いつもの場所に行ってくるからね。ナツミはキッチンでいたずらしちゃ駄目だよ。ヒロキは寝室の布団を落とさないこと。リサは・・・」
青年は、1匹ずつに声をかけた。
猫もそれに応えて返事をした。
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