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青年は、アトリエのドアを開けた。
本来なら渡り廊下で洋館と繋がっているが、青年はその廊下を塞いでいた。
以前に一度、付き合っていた女性をアトリエに招いたところ、勝手に洋館に入られてひどく不愉快な思いをした。
それ以来、他人をアトリエに入れても、自宅である洋館には入れないようにした。
「待たせたね、アユミ。」
アトリエに入ると、青年は作りかけの塑像の方を向いて、ソファーに腰かけている女性に話しかけた。
「準備ができたよ。迎えに来たんだ。」
青年は、コートのまま女性の隣に座った。
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