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「君を自宅に招くことになるけど、その前に僕のことや家族のことを教えておかなくちゃね。」
青年は、女性の手を取って優しく撫でた。
「僕の両親は、自称芸術家でね。父は彫刻、母は洋画を専門にしていた。二人とも自分の芸術欲を満たすのに総ての情熱を注いでいたから、僕は子供の頃からとても寂しい思いをしてきたんだ。」
青年は、当時のことを思い出して自虐的な笑みを浮かべた。
「でも、両親は僕が18の時に亡くなってね・・・ああ、それは事故だから仕方ないんだ。でね、ここは僕が相続したんだ。そしたら、何が起きたと思う?」
青年の表情が、パッと明るくなった。
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