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人工衛星発射から更に3ヶ月後,1機目の衝突が確認され,立て続けに5機目までの衝突が確認された。
そして6機目が今まさに衝突しようとしている時,小惑星ユリシーズⅡの崩壊が確認された。
直径20km以上あったユリシーズⅡが無数に崩れ,そのうちの直径4Kmの破片が地球軌道から大幅にずれた。
だが100m~1.5Kmほどの大量の破片が,依然として地球軌道に向かっていた。
この小惑星群が俗に言うシルバニアⅡであった。
その落下予想地点は地球上のほぼ全域に達し,国連は試験稼働中であった宇宙コロニーに,ランダムに選ばれた人々を乗せ,地球の陰に隠す,通称“オペレーション・ノア”(箱舟作戦)を実行した。
だが,家族と離ればなれになるケースや,意に反して選ばれた人々からは批判を受ける,強引な作戦であった。
結局のところ,離ればなれになった家族と死別したり,移住先のコミュニティに居心地の良さを感じた人々は宇宙に留まることになったわけだが,それでも当時1万人以上が地球へ帰還し,現在では世代が進み,移住当時の人口に達しようとしている。
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