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部屋から出ようとドアを開ければ,その部屋がキャンピングトレーラであることがよくわかる。
旧市街の一角,瓦礫の中に隠れるように停まったホバートラックと,それに牽引されているホバートレーラ群。
その真ん中に4柱式のテントが張ってある。
それが彼らLGメンバーのパブリックスペースであり,時には作戦会議の場にもなる。
大きなあくびをしながらパブリックスペースに顔を出すリリィに先客がおはようと手を挙げた。
きちっとした身嗜みで清潔感のある青年,彼はドイツ出身のVHASパイロット,名はハイドリッヒという。
彼はいつも一番最初にこの場所に現れ,だいたい次に彼女が現れる。
いわば今日もいつもの光景であった。
「リリィ,そろそろ買い出しに行かないと,,,食事は愚か,モーニングコーヒーですら今日で最後になりそうだ。」
と笑いながら言う彼は,大人しい見た目とは裏腹に,なかなかのジョークセンスの持ち主なのだろう。
リリィも吹き出しながら買い出しの準備を始めている。
LGには軍とは違い,総本部というものがない。
そのため,階級もなければ湯水のように湧く軍資金もない。
買い出しは月に2回程度,主なものは食料品,衣料品,消耗品,酒,煙草,燃料などである。
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