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「あの・・・!」
「何でしょう?」
「依頼、します!」
藁にも縋る思いだった。
自分ではもうどうしようもないのだ。
男性はすぐに「承知致しました」と言い、ハンナを案内した。
大通りを少し歩き、途中から小道に入って右へ左へと複雑な道を行けば、目の前に家らしきものが見えた。
「あれ、ですか?」
「はい」
男性がドアを開けるとカランカランとベルが鳴った。
しかし誰も出てくる気配はない。
「・・・すみませんが、少々お待ちください」
「あ、はい」
男性は「またですか・・・」と小さくため息混じりに呟きながら奥へと入って行った。
ハンナは近くにあったイスにとりあえず座り、あたりを見渡した。
普通の家・・・・・・というよりはお店と言ったほうが合っている気がする。
数個のテーブルにイスが3つずつ置いてあり、窓際には観葉植物があった。
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