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「あ、あと1つお聞きしたいんですが、娘さんが居なくなった時の状況は?」
「えっと、公園に行っていたときです。数分目を離したスキに居なくなっていて」
「どこの公園ですか?」
「プティット公園です。クライム社の近くにある・・・」
ハンナがそう言った瞬間、空気が張り詰めた。
リーク、シュラン、サガ、そして案内係までもが反応したのだ。
“クライム社”という名に。
「あの、何か?」
急に変わった空気を感じ、ハンナは不安そうに聞いた。
リークは先程のように笑って「何でもありませんよ」と言った。
「全力で捜索にあたります」
「お願いします」
リークがイスから立ってそう言えば、ハンナもイスから立ち、深く礼をした。
「じゃ、案内係さん、あとよろしく」
「了解致しました。ではハンナさん、お送りします」
「ありがとうございます」
ハンナは家から出て、案内係と歩いて帰る。
「頼りになりそうな人たちですね」
「はい。なんせよろず屋“リーブル”ですから」
案内係が少し、得意そうに言った。
ハンナの依頼前にあった不安感は、今は少しの安心感と期待に変わっていた。
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