プロローグ 春ですね

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 柾は舞い散る桃色の風を見上げた。  「お、桜…」  「あ、あのぉ」  と、その時、横から不意に声をかけられた。  「え?」  振り返るとそこには、同じ制服を着た幼顔の、しかしどことなく大人な雰囲気を出している女の子が、胸の前で両手を合わせながら柾を見ていた。  目が合った。  そして、おずおずと、もう一度女の子は言う。  「あのっ!」
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