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「あのっ!」
その女の子は急に俺、木崎柾に声をかけてきた。
(なんだ、この子?この高校の制服着てるってことは、同じ高校の生徒だよな…。
てか、背低いなぁ。
もしかして同じ一年生?いや、そんなことはどうでもいいんだ…。
見知らぬ男であるハズの俺にいきなり声を?
と、いうことはだ。
これはいわゆる…一目惚れというやつなのでは!?
ちょちょちょちょおっと待てっ!
いやいやいやいや!ありえないだろっ!なんで急にこんなに想像飛躍しまくってんでだよ…?
あれ、何?何だこの感じ?
ん…?
何か…どんどん鼓動が早くなって…。
みょぉ~に息詰まるなぁ…。
しかも、何だか心なしか顔が熱くなってきたような………)
「あの、聞いてますか?」
「えええっ!?」
俺は大幅にたじろいでしまった。どうやら最初の一言目から幾度か話しかけられていたようだった。
「な、ななな、なんでしょうか!? その、いきなりそんな……。俺、は、彼女とかいないッスけど、いきなりは、あの……!」
「?」
女の子は困った顔をして小さく首をかしげる。
「…」
俺は顔が紅潮していくのが分かった。ずっと目を合わせてくるその女の子の目を見ていられなくなった俺は、顔を横に向け、目だけは右斜め上に動かした。
「ぇ、えとぉ…すいません、何の話をしてるんですか?」
困った末、その子は苦笑しながら問いかけてきた。
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