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顔は横を向きながら、目だけ動かして女の子の方を見た。
「い、いや、その…、俺に、こ、告白してくださるのでは…?」
自分でも、何言ってんだ、ンなわけねぇだろうが、バカじゃねぇの、的なことを考えながらも、出てきた言葉はコレだった。
そんな思考が追いつく前に出てしまった自分の言葉に尋常じゃない程の羞恥心を覚えた俺は速攻で目を元の位置に戻した。
「………」
女の子はキョトンとした顔で少し考えたあと、
「ぇ……」
俺の言葉の意図に気づき、
「ぇえ~っっ!ち、ちちち違いますよぉっ!!」
女の子の方も顔を真っ赤にして声を張り上げた。
そして、すぐに俺の方に向けてビシッ、と左手の人差し指を突き出すと、
「わ、私が言いたいのは服装のことですーっ!
シャツのボタンはとめてズボンの中に!
ネクタイはちゃんと締めて!
上着もボタンとめて、しっかり着てくださいーっ!」
出てくる服の一部一部をいちいち指で指して服装の乱れを注意してきた。
「ぅうぇ!?」
全くの期待外れなことに驚きながらも、指摘された箇所を、俺は焦って直していく。
「…もう。明日からはしっかり服装整えてきてくださいね!」
まだ少し赤みがかかっている顔を俺に向けながら言った。
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