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パッと手を離すと、そのまま俺の顔を見上げ、ニコッと笑った。
「あ…」
またこの女の子、足立楓希さんと目が合ってしまって絶句してしまう俺。
(はぁ…?マジでなんなんだコレ?ホント意味分からん!超ドキドキすんだけど!!)
「うん!我ながら上手く締められたんじゃないかなぁ~。………?どうかした?」
自分の働きぶりに満足しているのか、俺のネクタイを上から下まで見て二度ほど頷いた後、急に黙ってしまった(というか元々あんまり話せていない)俺を見て小首をかしげる。
(あ、や、ヤベ!と、とにかくこの場は早急に退散を…!)
「あ、あの、じゃあ俺そろそろ行きま……」
と、片手で「じゃっ」の仕草を取って今にも歩き出そうと一歩踏み出した時だった。
「くおぉぉぉぉらぁ~~~~~~っ!!」
遠くから大きな怒鳴り声が聞こえた。
ダダダダダダダッ!
今日はよく自分の言葉を遮られる日だな、と密かに思いつつも、その声の方へと振り返ると、そこにはすでに見知らぬ女の子が立っていた。
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