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「……。はぁ、足立先輩。いや、ふ、楓希さん、と、呼ぶべき…か?」
一人で、誰もいない校門前で、誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。
キーンコーンカーンコーン…
「あ」
その男は自分の腕時計を見た。
8:45
とデジタルで表示されている。
「む…しまった…」
さらに一言呟くと、特に焦った様子もなく、ゆっくりと校舎の入口へと歩いて行った。
今のチャイムはもちろん、集合時間の合図のはずだが…―
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