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「いや、お前気づいてたなら返事してくれよ…、ちょっと心折れそうになったじゃんかよ~」
そう言いながら、空いていた俺の前の席に座った。
「あぁ、わりぃ。でさ、俺今日校門前でさ、なんか女の子に話しかけられて、また別の女の子に回し蹴りされたわけよ」
「……。へ~、朝から大変だったんだなぁ」
(てか、俺の話は完全スルーなのか……。てか、回し蹴りかよ…いきなり回し蹴りとかどんな女だよ)
少年はその目に掛けられている縁なし眼鏡を指を揃えた中指で押し上げ、軽く相槌を打った。
気にせず俺は話を続けた。
「回し蹴り少女は置いといてさ、その話しかけてきた女の子のことなんだけどさ」
「うんうん」
「俺さ」
「うんうん」
「もしかしたらなんだけど」
「うんうん」
「恋、しちゃったかもしれねぇわ…」
「ほう…。お前が恋ねぇ」
少年は、ふーん、と疑っているような表情になった。
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