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「お前の口から『恋した』なんて言葉が聞けるとは思わなかったわ。しかも高校の登校初日に」
俺はそこで初めて頬杖から顎を離し、少年の方を向いた。
「あれ?拓馬(タクマ)、あんまし驚かねぇのな」
「これでも少しは驚いてるんだけどな。まぁ、お前とは付き合いメチャクチャ長いけどよ、俺の知る限りお前が恋したことなんてないだろ?ホントなのかよ、と思ってよ~」
「ん~…」
そう言われて、俺は少し考え出した。
「今までと明らかに違ってさ、もう一目見た瞬間に心臓ドキドキーの、顔熱くなりーの……」
「嫁ぎーの、か」
「…もう古いだろソレ」
古いギャグを飛ばされてしらける俺。きっとそんな顔をしていただろう。これが筆者の近くで流行っていたのは何年前なのか…皆目見当がつかない。……俺に何を言わせるんだ。
そして反対に拓馬は少し恥ずかしそうな表情に。
「今のってフリじゃなかったのかよ…」
そしていかにもガッカリしたように首をうなだれた。
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