17人が本棚に入れています
本棚に追加
/133ページ
―…ジュ~!
和風の一階建ての家の中ではフライパンが熱で油を弾く音と、それの香ばしい匂いで満たされ始めていた。
どうやら目玉焼きを焼いているようだ。
「…っと、そろそろいいかな?」
ひとりで小さく言葉を発すると、フライパンに被せてあったそれ用の蓋を外した。
ぶわぁ・・・
開けた瞬間に上方に白い水蒸気が立ち上がった。
そして、
「だあぁぁ、このフライパンの蓋を開けた瞬間の肉の匂い…たまんねぇなぁ」
目玉焼きの下には、ベーコンが数枚敷かれていた。
コクッと唾をのみ込むと、コンロ下の火力のつまみを回してガスを切る。
「さぁて、と。まぁ、これでいいだろ!」
切り分けた三つの目玉焼きをそれぞれ別々の皿に移した。
見ると、フライパン横のコンロの上には鍋の中に赤みそで味付けされた豆腐やほうれん草、人参などの野菜が入った味噌汁が湯気を立てている。
目玉焼きを乗せた皿の上には千切りにされたキャベツが少々と、ミニトマト、キュウリ、その隣にはマヨネーズが添えられていた。
よく見る定番の朝食ができていた。
最初のコメントを投稿しよう!