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料理を作っていた男は壁に掛けられている丸い時計を見た。
短い針は6と7の間を、長い針は9を指していた。
「う~ん、6時45分かぁ。7時半くらいに準備しようと思ってたんだけど・・・」
顎に指を添え、目を閉じて、少し考えた後、
「うん、よし!寝よっ」
そう言って布団の敷いてある部屋に戻ると、自分の布団の上に座り込み、目覚まし時計を手に取った。
カチカチカチカチ・・・
目覚まし時計の針を合わせ終えるとそれを自分の枕元に置いた。
「これでよし、と。んじゃあ、短い二度寝といきますかぁ」
大きくあくびをすると、もぞもぞと布団に体を埋めていく。
「んじゃ、頼んだぜ、めーざまーし君…」
目覚まし時計の返事を待たずに男は目を閉じた。
目覚まし時計の短い針は6と7の間を、長い針は10を、そしてアラーム設定の針は・・・
短い針よりも少し下の方を指していた…―
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