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未知との邂逅
追われるように逃げるようにラフ街を出た一行を待ち受けるのは、行く手を丁度塞ぐように立ちはだかるレドルム山だった。
国境に聳えるエグナー山脈程は標高は高くない。しかし東西に長く伸びている為、山を越えない道を選ぶと大きく遠回りする事になる。
レドルムは一つの交通の要所だった。
その分、この山を通る街道はそこそこ整備されていると言える。そこそこ、としか表現できないのは、標高が高くなく幅があるためにいくつもの道が通っているからだ。
ワイティックから帝都ラティパックを繋ぐ大きな道は、荷馬車がすれ違ってなお人が行きかう事ができる程である。
一方で、細い道はそれこそ野党の類がいかにも出そうな風情が漂っている。
ラフで得た「最近殺人鬼が出る」という噂も、どうやらあり得ないと笑い飛ばせそうにない。
ネトシル達が今通っているのも、そんな道の一つであった。
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