その3、遅れてきた女の子

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男子生徒は俺たち2人に気づき、こちらに来ようとするが、女子の軍勢に阻まれた。 男「え、ちょ……」 女「君名前なんていうの~?」 女「キャーッ! カッコイイ!」 予想通り大盛況。 うらやま――粛清しなければならんな……。 結局ホームルームが始まるまでその状態は続いた。 ホームルーム後、リア充男は俺たちに近づいてきた。 男「えっと……」 晴「ん……、ゲッ! リア充か!」 男「えっ! な、なにが!?」 ヴ「おいお前! そのお方は非リア同盟の会長なるぞ! リア充の分際で声をかけるなぁ!」 おいおい、俺はいつからそんな残念な同盟の会長させられてるんだ? 男「うぅ……、友達になりたいんだから仕方ないじゃないかぁ」 涙目でヴェンを見上げるように答えるリア充。 ヴ「ブッ」 晴「ヴェェェェェン!!」 ヴェンは突然、鼻血を出してぶっ倒れた。 晴「どうしたヴェン! ヴェェェェン!」 ヴェンの反応はない。 男「だ、大丈夫?」 晴「ヴェンは屈強な戦士だ。これくらいではへこたれまい。ときにお前、名前はなんという」 男「え? 僕? 僕はエル・ウィンダム」 晴「そうかエル。俺はお前を気に入ったぞ」 エ「え? ホント!? じゃ、じゃあ友だちになってくれる?」 晴「あぁ、もちろんだ」 ヴェンを倒すほどの強者だから……というのは表向き。 こいつを支配権に置けば非リア勢は不利になりにくい。 世間は非リアに冷たい。リア充であるエルを側近につければ、女子どもにも目利きできる。
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