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人気の無い放課後の校舎をいるアテは無いが純ちゃんの教室へと向かった。
パタパタと走る足音が廊下に響く。
生徒達がいる昼間とは違い誰もいない廊下は表情を変える。
教室に辿り着きそっと覗くと窓側の一番後ろの席で頬杖をつきながら校庭を眺める彼がいた。
とくんと心臓が普段とは違う音を立てた。
窓から入る風が彼の髪を靡かせる。
新しい彼女がいるの?
心に湧き出る色々な気持ちを落ち着かせるように一度大きく深呼吸した。
「純ちゃん」
私に顔を向けた彼はなんだか元気がなさそうだった。
「………まだ帰ってなかったんだね」
「今日は啓斗と一緒じゃないの?」
ふっと顔をまた窓に戻した彼が放った言葉は冷たかった。
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