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「そう言う報告なら別に要らない」
突き放す言葉と温度の無い声。
喉が狭くなって言葉が出てこない。
「あ…あたしの好きな人は」
声が裏返った。
「自意識過剰で、自信家で、彼女とはすぐ別れるし、人のことすぐにからかったりするけど
小さい頃から一緒だったから
あたしの事なら何でもわかって
今までいっぱい頼ってきたから
失うって考えたら怖くて」
滲む視界の先で一瞬純ちゃんが目を見開く。
「純ちゃん…………新しい彼女できたの?」
「………は?」
怪訝な顔を此方に向ける。
「だってそういう噂が」
「奈々子?」
「あたしの事好きだって言ってもすぐに彼女作るんじゃん」
ボロボロと涙が零れた。
いつの間にか純ちゃんは入口近くに立つあたしへと歩み寄ってきた。
「…………奈々子、ヤキモチ?」
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