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あたしがこんなんだって純ちゃんは涼しくて余裕な顔で……
「良かった」
純ちゃんの優しい声とともに急にきゅっと体がロックされた。
「じゅ」
「奈々子は離さないよ。
だから俺から離れていくな」
埋もれていた腕の中から顔を上げると真剣な眼差しの彼がそう言った。
あたしは黙って頷いた。
「はぁ………やっと手懐けた」
私の顎の下を擽るように撫でる。
「やっ………猫じゃないし」
その手を払って私は睨みつけた。
あたしを見る彼の顔がこの上なく優しくて、急に恥ずかしくなってしまった。
純ちゃんをこんな顔にさせてるのがあたしだっていう事実に嬉しさが込み上げた。
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