アキラ

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携帯も繋がらず、直接家に行っても、 「旅行に行くって言って出掛けたから、てっきり月王君と一緒かと……」 母親も知らないと言う。 結局連絡が取れないまま時間は過ぎ、ゴールデンウイーク最終日、 「月王…… 今日、いつもの場所で会えないか?」 突然の電話。 「勿論だよ。 訊きたい事も一杯あるし」 少しキレぎみの言葉にも明はそれほど反応せず、 「じゃあ、いつもの場所に23時で」 それだけ言って電話を切った。 月王は急に不安になった。 電話の声に、明のいつもの明るさは全くなかった。
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