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「かなりの美少年なんだけど、俺はすぐに思った。
こいつはヤバい」
「ヤバいってどういうことだよ?」
「本能的にそう思ったんだけど……
すぐにその直観が正しかったと気付かされるんだ」
空手全国二位の明が見ただけでビビる?
そんな事があるのか?と月王は思った。
「何があったんだよ」
「『君が月王の親友?』って聞いてきたんだ」
「僕の名前?」
「雰囲気に呑まれていた俺は正直にそうだと答え、お前は誰なんだよ?と精一杯強がって見せたんだ。
そいつは『琉那』と名乗った」
「ルナ……」
月王が名前を復唱していると、
「そいつは続けてこう言ったんだ。
『君は僕に就くの?それとも月の王に就くの?』」
明の体は恐怖を思い返す様に小刻みに震え出していた。
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