52人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前、本当に分からないのか?」
「どういう事だよ」
「中学の入学式の事覚えてるか?」
勿論覚えている。
月王にとって、忘れたいくらい恥ずかしい、忘れられない思い出。
「王様になる!
……月の王になるのはお前だよ」
「ま、まさか……」
冗談にしか聞こえない明の言葉。
「俺がこの力を手に入れた日の事は覚えてるか?」
明の左手が光り輝く。
「覚えてるにきまってるじゃないか。
明の誕生日に急に……」
「そう、俺が十六歳になった時にこの力が生まれた。
そして今日の二十四時を回って日付が変われば……」
明は月王を見詰める。
「お前の誕生日だ」
最初のコメントを投稿しよう!