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月王は丘を駆け下りた。
向かった先は中学校。
何故か、琉那はそこに居ると確信していた。
「ハァ……ハァ……」
息を切らしながら校門に近づく。
「美月……」
校庭に、初恋の長い黒髪の綺麗な少女を見付ける。
琉那とどういう関わりがあるのかもわからないし、名前で呼んだ事も喋った事もないので、
「おい!」
精一杯の大声で、ぶっきらぼうに叫ぶ。
声が届かないのか、美月は振り返る事もなく校舎の中へと入って行く。
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