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月王は思い出していた。
明によくやられた悪戯。
目の前に手を掲げられ、一瞬何も見えなくなる。
「殴ってやる!」
琉那に向かって駆け出す。
「月王先輩も僕の強さが判ってないんだ」
「違う!
明の強さが判らないお前は弱い!」
手が届く距離に近づいた瞬間、光り輝く両手を眼前に突き出す。
光に包まれたその空間は、お互いが見えない闇。
「くらえ!」
月王は琉那の顔があった場所へ、渾身の力を込めた拳を打ち込む。
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