とあるお医者さんのお話

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ザク…ザク… 見渡す限り、白銀の街。 聞こえてくるのは男が一人、雪上を踏みしめる音のみ。 昼間だというのに静まりかえった街並み…ちらりと見やれば、室内には影が見える。 別段、人の気配がないわけではないのだ。ただ、外に、人影がない。 それもそのはず、此処は万年雪に覆われた極寒の国。来る日も来る日も、人々が雪の姿を見ぬ時はない。いかなる時も、国中が白銀に包まれている。 今日も今日とて、この街には真っ白な雪が降り注ぎ、男の肩を冷たく濡らしていた。
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