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「何をブツブツ言っている。目の前に集中しろ。というか、私に集中しろ」
「ああ、ごめん。目の前に集中するよ」
隣にいる炎のような赤毛の少女(完全に幼児体型)に言われ、僕は言われた通りに視線を前へと向ける。
視界の隅には、鉄くずや鉄筋コンクリートなどが無造作に横たわっているのがちらほら見える。
廃工場。
そこに僕と隣の少女(幼女)、そして前にいる少年を合わせた三人は、対峙するように立っていた。
前方――というよりも斜め上に、見上げるように視線を向ける。
「や~っと、逃げんの諦めやがったッスね!!」
もう活動していない煙突の頂上――そこに、白い学ランの少年が仁王立ちしていた。
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