それは華の香り

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一年のフロアである三階の廊下を全速力で走り、階段で曲がる。 階段で数回つまづきそうになるのを必死でこらえる。身体中に痣が有るのはこれのせいでも有る。 目指すのは一階の購買だ。 どうして俺があいつらの為に購買までやたら高い弁当を、買いに行かなきゃなんねーんだ。 一階に足を着く。 購買まであと十数メートル。 「がっ」 腹部に入った蹴りのせいで口から唾とも吐瀉物ともつかない物が出てきた。 「うわっ汚ねっ」 もう一発蹴りが入る。 「キショッ」 俺に弁当を買いに行かせた一人が言う。 購買の弁当は高いだけあって中々上手い。 そのせいもあって弁当は直ぐに無くなってしまう。 三階の一年が買うねはほぼ不可能だ。 コイツらはその事をわかって俺にやらせているんのだ。 「あー腹減った お使いも出来ねえのかよこのバカは」 馬鹿はテメーらだ。漢字で書けるのか。 「ごめんなさい ごめんなさいごめんなさい」 とりあえず土下座をしながら謝る。 「あっ アタシカラオケ行きたーい」 女が提案する。 「あっ ナイスアイデア」 ずっと行ってろ。 「よし 決定」 その場を去る。 丁寧に全員土下座している俺を踏みつけて行った。 今日は何とかアレを免れそうだ。 「あっ忘れ物」 一人が俺を見て振り替える。 今日も俺は午後の授業をジャージで受ける事になった。
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