出会い

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某日午後3時 俺、麻倉昶は、仕事の休憩に入っていた。 俺が働いているカフェ『ヴェルチェ』では、昼時の客のピークも過ぎ、スタッフたちはようやく休憩に入ることができた。 「昶、おつかれ」 声をかけてきたのは大学からの親友、佐藤大輔。 「あぁ、おつかれ」 「なぁ、ちょっと外にタバコ吸いにいかね?」 「あ、うん、いいよ」 そして俺たちは、店の外に出た。 大輔とは大学1年の頃に同じ経済学部で出会った。 将来は自分の店を持ちたいという同じ夢をもっていたことで意気投合した。 それから経営を学ぶためにこのカフェに就職。 2人とも同じ就職先に受かるなんて思ってなくて、ものすごく喜んだのをおぼえている。 「やっぱりさ」 と、タバコを吸っていると大輔が声をかけてきた。 「昶がタバコを吸ってるとさ、雰囲気が怖いよな」 「えー何でだよ」 「うーん、なんでって言われると難しいんだよな。しいて言うなら目つきかな。急に大人びるっていうか」 「そうか?」 「そうだよ」 なんて言うくだらない話をやっていた。 その時、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
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