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「誰かそいつをつかまえてー!!」
という声の方に目を向けると、おそらくひったくりがあったんだろう、ひったくり犯らしき男がこちら側に向かってきていた。
俺は迷わずその男に向かって走り出し、近くにあった石を拾って男めがけて投げた。
石は男の手にあたった。
「いてっ!」
手にあたったことで男の手からバッグが落ちた。
それで焦ったのか、男の動きが止まった。
そのすきに俺は全速力で走りひったくり犯を取り押さえた。
「くそっ、はなせ!」
「警察が来るまでおとなしくしてろ」
それから大輔もかけつけ2人で取り押さえた。
警察はすぐにかけつけてくれて、男はおとなしくパトカーで連行されていった。
「お前人が良すぎるんだよ。ひったくり犯相手に危ないことしやがって」
「だからってほっとけねぇだろ?」
「確かにそうだけどよ・・・」
と大輔と会話をし、俺はバッグを拾い上げ走ってきた女性に渡した。
「ありがとうございました。さっきの石を投げたのすごかったですね」
「俺野球やってたんです。ピッチャーだったからコントロールには自信があったんで」
「そうだったんですか。このお礼はどうしたら・・・」
「あれ、姉さん?」
と、どこからか声が聞こえてきた。
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