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「蒼太!?」
その蒼太と呼ばれた少年は、こちらに向かって走ってきた。
「何やってんの?」
「今ひったくりにあってね、この人たちに助けてもらったの」
と彼女は丁寧に俺たちを紹介してくれた。
「姉を助けていただきありがとうございました。俺、弟の蒼太って言います。しっかしまたかよ・・・」
「「また?」」
俺と大輔は思わず声に出してしまった。
「姉さん先月もひったくりにあったんです。結局犯人は捕まったからよかったんですけど」
「私って狙われやすいのかしら」
と、女性は笑いながら言った。
笑い事ではない気がするんだが・・・
「それでお礼をどうしようかと思ってね」
「いやいや、ほんとお礼とか全然いいんで」
俺はそう言うが、
「いや、お礼は素直に受け取っておくもんですよ」
と、弟君も言ってくるであまり断ることができなくなってしまった。
どうしようかなと考えているといいことを考えついた。
「それじゃ俺たちの働いているカフェによって行きませんか?それなら俺たちの稼ぎにもなるし。なぁ大輔」
「あぁそれいいね。時間がないなら無理にとは言いませんが」
「そんなことでいいいんですか?」
「いいですよ。お時間大丈夫ですか?」
「時間は大丈夫です」
時間は大丈夫らしいので俺たちは彼女を『ヴェルチェ』に案内することにした。
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