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「何?蒼太くんにアド教えたの?」
大輔が俺の後ろから携帯をのぞいてきた。
「あ、うん。またここに来たいからアド教えてくださいって言われたから」
「おーまじか!これでまた新たに客ゲットだな」
大輔はよっしゃ!と言いながら右手でガッツポーズした。
『ヴェルチェ』は客が増えると店長の気分次第でたまに給料があがるからきっとそれが理由なんだろう。
結局その日は大輔の強引な誘いで近くの居酒屋でかるく飲んで帰った。
午後9時、ようやく家に帰ることができた俺は蒼太くんから届いたメールに返信してないことを思い出した。
「やばい!3時間も返信してない!」
せっかくお疲れ様ですってメールくれたのに返信し忘れるなんて悪いことしてしまったな、と思いながら急いで返信した。
とりあえずメールありがとうと、返信が遅れてしまったことを詫びた。
すると1分もしないうちに蒼太くんから返信がきた。
『大丈夫ですよ。麻倉さんも今日は疲れたでしょ?わざわざメールありがとうございます。今日はゆっくり休んでください。またヴェルチェに行くときにメールします』
すごい丁寧なメールだなと思った。
今日初めて見たときは活発なスポーツ少年だなって思ったけど、実際はしっかりした子なんだな。
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