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俺は即答してやった。
「な、なんでよ!?」
「近道するから、それと個人的に鈴音の柔らかい感触を堪能したガペッ!!」
「な、なななな!! こ、この変態!!」
殴られました。
避けられないから痛いんですけど‥‥
まぁ、あれですよ。目が死んでても俺も一応男なんで。
と、んなことしてる暇なかったな。
喚きだした鈴音をスルーし、廊下の窓を器用に開けてサッシに足を掛ける。
その行動から俺の次の行動を予測した鈴音は真っ赤になっていた顔を青くする。
「えっ!? ち、ちょっと待って!! ま、まさか・・・・」
「しっかり掴まってろよ!!」
「う、ウソ!? い、イヤ~!!」
「アイ、キャン、フライ!!」
足に力を込めて外に跳びだす。
俺は普通ならあり得ない程の跳躍力で木から木へと跳び移った。
広場のように拓けた場所に出た俺達は、その中心に展開されている魔方陣に着地した瞬間、姿を消した。
第三闘技場
王国の空中に浮遊している浮島の一つ、【闘技島】に作られた四ヵ所の石造りの巨大な決闘場の一つだ。
中央のステージには多数の生徒が友達らとグループを作り談笑していた。
男子生徒は青のブレザーに灰色のズボン。
女子生徒は赤いブレザーに赤と黒のストライプのスカートを穿いている。
談笑の声で騒がしい闘技場。
その入り口付近に設置された魔方陣が発光し、一組の男女が現れた。
俺と鈴音が中に入ると、女子からは羨望の、男子からは殺気の籠った視線が降り注いだ。
それもそのはず、鈴音は俺達二年生の男子のなかでアイドル的存在だ。
そんな彼女が男にプリンセス抱っこされながら入って来たのだ。
殺気を送られるのは当然だった。
因みに女子たちは鈴音の乙女の憧れのようなシチュエーションを羨ましがっているだけだからな。
『くそっ羨ましい』
『ハァハァ鈴音たん萌え』
『あの野郎、我らが鈴音様をよくも・・・・抹殺対象だな』
『 ヤ ラ ナ イ カ 』
『アーーーーーーーー!!』
『いいなぁ鈴音ちゃん。私もやって貰いたい・・・・』
『私も・・・・』
『『『俺たちがやってあげようか?』』』
『『結構です』』
「お~しっ!! 到着っと!!」
えっ? 周りのやり取り?
ナンノコト?
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