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世界中でもっとも魔法が栄える魔法側の首都
【魔都ディミオン王国】
【ディミオン城】を中心に大まかに東西南北の四区に分かれていて、空には小さな国程の大きさを持つ島が浮いており、闘技場や娯楽施設などで賑わっていた。
そんな国でも一番の敷地面積がある学園
【王立エクシリア魔術学校】
その学園の屋上で、1人の少年が寝息をたてていた。
所々癖毛で跳ねている黒い髪。
長めの前髪の下で今は閉じられている、やる気の欠けた黒い両眼の、まだ幼さの残る顔つきの少年だ。
屋上の隅に設置されたベンチで少年が寝息をたてていると、屋上の扉から一人の少女が入ってきた。
黄金色(コガネイロ)の腰まである髪をポニーテールにした小さな顔に、陶磁器の様な白い肌と大きな碧色の瞳が映える。
スッと通った鼻筋の下で、桜色の唇が華やかな彩りをそえている美少女だった。
その少女はゆっくりと少年に近付き――
「こらー!! 起きなさーい!!」
「ぬおわぁ!? 耳が、耳がぁぁー!!」
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