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「何しにって決まってるじゃない。次は魔力測定だから呼びに来たのよ」
この学園では半年に1回魔力測定がある。
測定内容は総魔力量と魔力属性の2つ、総魔力量は現在保有している魔力の最大値を、魔力属性はその魔力の属性を調べること。
魔力には人それぞれに属性が有り、基本的に母体に遺伝するみたいだ。
「ハァ~・・・・別に受けなくてもいいのに・・・・」
やる気のない俺の物言いに腹が立ったのか、鈴音はあからさまに不機嫌な顔になった。
「ぐちぐち言ってないでいいから来なさい!! アンタに拒否権は無いわよ!!」
「ハイハイ分かった分かったよ分かりました。行けばいいんだろ行けば」
理不尽に怒鳴られ半場投げやりに承諾し、俺は不機嫌そうに睨む鈴音を連れて屋上を出た。
「あれ? 魔力測定って何処でやるんだっけ?」
「バカ!! 第三闘技場よ!! もうすぐ始まるわよ!?」
「やっべ!! 急ぐぞ!!」
校舎に入って暫くした頃、廊下に二人の声が響いた。
俺は鈴音のスラッとした膝裏と背中に手を回し、勢いよく持ち上げる。
鈴音のいい香りが鼻腔を擽った。
まぁ、所謂お姫様抱っこですね。わかります。
「え!? きゃっ!? ちょちょ、ちょっと!? な、何やってんの!?」
「あ!? 何って・・・・お姫様抱っこ?」
今どんな状態であるかを理解した鈴音の頬が羞恥で一気に赤く染まった。
あの、そんなあからさまに照れられると俺まで恥ずかしいんですけど。
「っ~~!? お、降ろしなさい!!」
「断る!!」
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