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そう言うと【一】は手をジャージの袖に引っ込めた。
「は!ほざけ!!!ファイヤーキーック!!!」
【飛来】は炎きらめく足で【一】に飛びげりをかます。
「弱点とは…」
【飛来】のキックは中を切る。【一】はキックが当たる瞬間【飛来】の後ろに回り込み、ジャージで覆った手で素早くジッパーを上げた。
すると炎は瞬く間に消えていった。
「何!?」
『おーとこれは【一】選手【飛来】選手のジッパーを上げることで中に籠った熱を一気に解放して冷ますことによりファイヤーフットを鎮火したー!!!
しかも自分の手が燃えない様にジャージで手を守るという隙の無さー!!!!』
…色々と言いたいことはあるが一言だけ言わせてくれ…ジャージってそんな万能だっけ?
「くっ、」
予想外の事態だったのか【飛来】は苦虫を噛み潰し青汁を10パイくらい飲んだ顔をしていた……それもう苦虫関係なくね?
「はは、残念だったな確かに炎攻撃は強い、ジャージが燃え、下手をしたら一瞬で決着がついてしまうからな!私のジャージも無傷とはいかなかったしな」
そう言うと【一】は小さな穴の空いた袖を見せる。どうやらジッパーを上げた時に燃えたらしい。ジャージは思ったより常識的なジャージだったのか、来てる奴が非常識だったんだね。その気持ち分かります。
「だがその反面リスクも大きいキサマのジャージはボロボロではないか。」
「…」
【飛来】が悔しそうに自分のジャージを見る。
確かに耐熱ジャージ(?)は無事だがその他は【一】の言うとおり焼けてボロボロだ。
「だが、私は容赦はせんぞ!」
さっき得意な必殺技は使わないって言って無かった?
「今度は私の番だな」
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