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【母との再会】
こちらに帰り、一年目、今までの貯えで、なんとか暮らせた。
夏の太陽は、笑ってる。
嬉しかった。素直に成れた、私がいた。
数日後、母に会いに歩いて行った。
途中の道で、声かけられた。【旅の人】
そんな風に思われた。
一瞬、唖然として、後ろを振り向くと、誰もいなかった。
久しぶりに、母と会う。嬉しい。
甘えた、あの頃、懐かしく、込み上げてくる、この気持ち。
数分後、母は、また、覚えてないと違う名前で、私を呼ぶ。
辛かった。そして、苦しく成った。
現実は、泣きたい程、私も淋しい。
あの頃の母は、そこには、いない。
誰に、何を、話せるのか...
故郷は、遠きにありて、思うもの。
近いからと、甘い考え、情けない。
お母さん、ごめんなさい。
いつまでも、いつまでも、母の手を握っていた。
あっという間に三時間、また、【来るからね】
母にさようなら、手を振ると、母は子供の様に可愛いく、手を振った。
時が止まれば、良いのに、そして、暗く成る前に、また、歩いて家路へと向かった。
太陽の日差しに、負けない体力、なんとか、此処まで生きれたね。
誉めてあげたい、時には、そんな私が好きになる。
気力で乗り気った夏、未だ静かだから、そして、背伸びをしない一年目。
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