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「クロノスラッシュ!」
音速を超えるような凄まじいスピードで振り下ろされた剣によって袈裟斬りにされるザムサ。
「エクスキューション!」
侵入者がそう叫んだ瞬間、ザムサは断末魔の悲鳴をあげながら、まるで空気に溶け込むように消滅していった。
「ザムサ!」
ザムサの死に耐え兼ねた、また別のアンクローチが飛び出していく。
「ゼブ、よせ!
その武器は、ただの剣じゃない!」
再びトビが仲間を制止しようとするが、ゼブは全く止まらずに侵入者へと向かっていった。
再び鋭い斬撃を繰り出し、ゼブを斬りつける侵入者。
直撃は免れたが、ゼブは胸に埋め込まれた『目』らしき物を破壊されてしまった。
「しまった、転送装置をやられた!」
酷く狼狽するゼブ。
見兼ねたトビは、ゼブ以外のアンクローチたちに『早く行け』という手振りをし、アンクローチたちはその指示を受けて次々とどこかへ『転送』されて行った。
「くそっ…奴ら、どこへ?!」
辺りを見回してアンクローチたちの行方を探ろうとする侵入者だったが、周辺に潜んでいる気配は全くなかった。
「教えてあげるよ。
…確か…トキヤだったね。」
胸を押さえながらうずくまるゼブの傍らのトビが言うように、侵入者の名は『トキヤ』。
数ヶ月の間にアンクローチたちに幾度となく戦いを挑み、何度も敗北を味わってきたのだった。
トキヤの全身を覆う鎧のような物は、『クロノスーツ』という強化スーツ。
装着した者の戦闘能力を格段に増幅させる機能を持っている。
その力を持ってしても、今まではアンクローチたちに手も足も出なかったのだ。
しかし、今日のトキヤは一味違う…
手にした剣に、その秘密が隠されているのだ。
「その剣、思ったより物騒だね。
ならば、僕も『完全体』になって戦わなきゃいけないね。」
そう言うとトビは、全ての黒光りする『目』をさらに発光させて、異形の姿へと変身した。
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